きれいな歯並びでしっかり噛もう

虫歯が1本なくても、歯並びがガタガタでは「美しい歯」では失格。笑ったときに口元からのぞく歯は、やっぱりきれいであってほしいですよね。

不正咬合の原因はさまざまですが、遺伝やケガでない要因は心がけ次第で回避できます。歯にとって最も大切なのは、4~6歳です。歯の問題は、からだ全体の健康や家庭でのしつけ、ひいては子供の心の問題とも密接にかかわっています。80歳になっても、20本以上自分の歯が残っているように、生まれたときからケアしていきましょう。

きれいな歯並びをつくる生活って?

きれいな歯並びつくりは0~3歳の食生活や日々の生活が重要となります。母乳から離乳食、大人と同じ食事へと移り変わる時期にいろいろな点で保護者のみなさんの注意が必要です。

きれいな歯並びつくりのポイントは「虫歯にさせない」「あごをしっかり発育させる」「怪我に注意」「悪いクセをやめさせる」です。

虫歯にさせない

生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には、虫歯の原因菌であるミュータンス菌は存在しません。お父さんが口をつけた箸やスプーンで赤ちゃんにごはんを食べさせる、固い食べ物をお母さんが自分の歯で噛んでそれを与えてしまうなどの行為によって、両親のミュータンス菌が赤ちゃんの口の中に入ってしまうことが考えられます。

赤ちゃんへのミュータンス菌感染の機会を遅らせれば遅らせるほど、虫歯にはなりにくい体になります。赤ちゃんにミュータンス菌を感染させないためにも、両親が歯をきちんとケアする、口の中を清潔に保つことが大切なのです。

また、歯が少しでも見え始めたら、授乳後には指に巻いたガーゼで歯をふき取り、1才を過ぎて離乳食後に授乳をする場合は、授乳前に歯磨きするようにしましょう。食後には麦茶または水を飲ませるだけでも虫歯予防になります。  

いつでも口の中に食べかすがある状態が一番の虫歯の原因です。だらだらと食事をさせたり、ちょこちょこおやつを与えると、口の中がいつも酸性状態になり、虫歯になりやすい状態を作り出します。食事やおやつを与える際はなるべく決まった時間に与えるようにしましょう。また、1歳すぎたら寝ながらの授乳も母乳には糖分も含まれているので虫歯になる原因になりますので、徐々にやめていきましょう。

あごをしっかり発育させる

あごをしっかり発育させる事が、きれいな歯並びの鍵となります。最近の子供はあごの骨が小さく、生まれながらに小顔傾向です。元々、乳歯の歯と歯の間には隙間が空いているのが普通です。今は隙間なく生えている子も少なくありません。そのため、乳歯よりも大きく本数も多くなる永久歯が生えてきてもきちんと並びきれず、乱ぐい歯や八重歯になるケースが増えてきています。

あごの骨は永久歯が生えてきた後も成長し続けます。噛み応えのある食事であごをしっかり発育させることで改善されます。

離乳食のときに味わったことのある食べ物は将来、必ず食べられるようになるといわれています。市販のベビーフードも、ブロッコリーやにんじんなどゆでた野菜を少し加えるだけでも、噛み応えがアップするのです。

和食をメインにした食事、さまざまな野菜を使った食事が噛む回数を増やします。

かむ回数を増やす料理のコツは、根菜や魚介類など噛み応えのある食材を選び、乱切りなど食材を大きめに切り、煮物より焼き物、天ぷらよりフライや素揚げにするなど、食材の水分を減らします。そして、白米に玄米を混ぜて炊いたり、ハンバーグの中にレンコンやゴボウ を入れたりするなど、普段のメニューに噛み応えのある食材を組み合わせまるのもよいでしょう。

怪我に注意

乳歯が適当な時期に抜けて、永久歯との生え替わりがスムーズにいくことは一番大切です。ところが、転んで歯がぬけてしまったりすると、その部分だけ跡に控える永久歯が早めに生えてきて歯並びを悪くすることになりかねません。

また、めりこんだという場合も要注意です。ぶつけた、抜けたというときは、なるべく早くに歯医者さんへ。

抜けた歯も牛乳やコンタクトの洗浄液のような蒸留水などにすぐ漬けて歯医者さんへ持って行き、すぐに処置すれば、元に戻せることもあるので、忘れずに持っていきましょう。

悪いクセをやめさせる

指しゃぶりやタオルをかじるクセなどが歯並びに影響することは原因の中でも説明したとおりです。こうしたクセは3歳ごろまでであれば、影響もなく、自然になくなることが多いので、心配しすぎなくてもよいのですが、4~5歳でも指しゃぶりをしてたり、鉛筆をかんだり、上下の前歯で舌を噛むクセがあったりすつと、あごの形や歯の生え方に影響してしまうので、時期を見て徐々にやめられるように注意しましょう。

また、食事のときの姿勢も大切です。
足をブラブラさせた状態で座っていると、噛む力や噛む面積がおよそ2割も減ってしまいます。また、畳などにすわって食事する場合も、足を投げ出したり、足を崩して食べていると、あごがずれてしまいます。きちんと正座するなり、正座いすなど用意してあげましょう。

食べるときは、お茶碗を手にとって、正しい姿勢で。
猫背だと下あごが後ろに下がって、出っ歯になりやすいです。偏った角度でテレビを見ながら食べることも、影響するのでやめましょう。

日常から気をつけて、きれいな歯並びを作っていきましょう。