受け口・しゃくれを小さい頃に治す方法

成長するまで様子を見ると言われてきた理由

受け口・しゃくれを歯科用語で反対咬合といいます。
反対咬合は幼児期に自然治癒が見込まれ、加えて低年齢児には本人の積極的な治療が望めないので、多くの歯科医は大人の歯に生え変わるまでしばらく様子を見ましょうと提案してきました。また、反対咬合は大人になってからでも症状や程度によって2~3年で治すことが可能で、顎顔面変形症と診断されたら健康保険対象となります。

しかし、2歳で反対咬合だった子の50%は自然治癒する一方で、3歳になると、治癒率は6%程度に低下してしまいます。そこで、3才検診で反対咬合が確認された場合に当医院では、低年齢児に使用が可能な矯正器具、ムーシールドを提案しています。
子供のころに治療を勧める理由として、食べ物がよく噛めない、発音がしにくいというだけでなく、思春期に子供同士でからかわれることがあるなど見かけの点からも早めの治療をご検討ください。

ムーシールドでできること

ムーシールドムーシールド

歯並びの悪さの原因の一つが、口の周りの筋力がアンバランスであるということです。
ムーシールドは何らかの外的力を必要とせずに患者自身の筋力を鍛えて、バランスを回復することできちんとした歯並びに戻す方法です。
就寝中にマウスピース型の矯正装置をくわえるだけという簡便さのため、幼い子に対しても負担が小さく応用できます。1年間程度の就寝時のみ装着で、症状の改善ができます。

3歳時点 4歳時
3歳7ヶ月   4歳6ヶ月   12歳6ヶ月

j上記の治療例は、3歳からムーシールドの使用を始め、約1年で早期初期治療を終え、その後1年ごとに定期健診を受けていて、6歳に歯が出るスペースが足りないことがわかり、萌出スペース確保を目的とした矯正治療を行なった例です。早期初期治療をおこなったおかげで、次に続いた第二段階治療が軽減されて、負担の軽い治療となりました。

早期に治療を行なっても、乳歯が生え変わったあとで再治療の可能性があるのは否定できません。しかし、それが早期治療を行わない理由になることはありません。治療開始を遅らせることのほうがはるかに後の負担は大きいものになります。              

反対咬合は3歳より治療適応となります。