「噛む」よりも大切な役割とは?

『体調不良は歯で治る!』(角川oneテーマ21)によれば、肩こり、腰痛、慢性疲労、うつ病、高血圧などなど、あらゆる病気に「歯」が関係して いるそうです。アメリカでは歯並びの悪さは虫歯同様ひとつの病気と考えられており、それらが引き起こす弊害を真剣に受け止めています。

「歯は食べ物を噛み砕くための大事な器官であると同時に、全身の姿勢をコントロールする“特殊な関節”のようなものだといえます。人の頭部は約5kgもありますが、その重さを脊柱1本で支えています。安定して支えられるように調節しているのが、肩や首、口の周りの筋肉やじん帯(腱:けん)です。そのとき重要な働きをするのが、 上顎歯列と下顎歯列の“噛み合わせ”なのです。」

今や子供の65%が歯並びや噛み合わせが悪く、治療が必要といわれています。
噛み合わせ異常の一番の原因は、よく噛まない食生活。きちんと噛まないでいると、本来上向きに育つべき歯が舌側に傾斜したり、奥歯(大臼歯)が発育不足で低くなったりするため、正しい位置で噛むことができなくなるのです。
噛み合わせが狂うと、下アゴがズレます(頭部に固定されている上あごは動きません)。そのズレがほんのわずかでも、頭部を支えるために体が傾いてしまいますから、体が倒れないよう無意識のうちに首、肩、腰、背骨でバランスをとろうとするのだそうです。そういったゆがみが肩こりや腰痛の原因となり、 ひどいときには神経や血管を圧迫して様々な病気を引き起こすのです。

生活の一部、健康の一部としても、きれいな歯並びは重要なのです。
また、歯列矯正器具の見かけが気になる、子供に辛い治療は受けさせたくないと治療そのものに抵抗を覚える親御さんは多いのですが、勉強や教育には熱心でも歯に対しては無頓着という方も結構おられます。
たとえば、歯並びを気にして心の底からの笑顔が曇りがちになるなどの心理面でのストレスは、大人が思っている以上に本人には深刻な問題であったりします。また、虫歯や歯周病にかかりやすくなったり、発音・発声に障害が起こったり、消化器官への負担が大きくなったり、耳のそばがカクカクと音のする顎関節症や体調不良が起こったりもします。
歯列矯正を施してあげるのも親の責任の一つといってもいいでしょう。
まずは、お子様の歯並びチェックしてみましょう。 チェック方法はこちらをご覧ください。

歯並びが悪いと起こる体への影響